オーケストラで使う用語/基本用語/練習中によく使う言葉/演奏会当日に使う言葉/まとめ一覧


オーケストラでよく使う用語や言葉のまとめとその解説をまとめました。初めてオーケストラ、アンサンブルに参加する方にわかりやすい様に使用例つきです♪

※なるべくメジャーなものを取り上げましたが個々の団体で違いがあると思いますので、一例だと思い参考程度にお読み下さい。

 

 

♪ オーケストラでよく使う基本用語

・コンミス、コンマス

コンサートマスター(男性)、コンサートミストレス(女性)の略称です。1st(ファースト)ヴァイオリンのトップ、指揮者の左隣、一番客席側にいる奏者を指します。演奏技術はもちろんのこと、人間性やリーダーシップも要求される大事な役割です。

使用例:「コンマスはどなたですか?」

 

・プルト、〇プル

隣の席に座っている(同じ譜面を見ている)二人一組の数え方です。指揮者に近い順番で、1プルト、2プルト、3プルト…と数えます。最後に一人だけ余ると「半プル」「はみプル」と呼ばれたりします。

例:「田中さんの席は4プルです。」

 

・表(おもて)、裏(うら)

プルトのどちら側の席かを指す言葉で、表が客席側です。重音をディヴィジで表裏で分けて弾くことがあるので、どちら側の席かで弾く音が変わる場合もあります。間違えて演奏すると、指揮者に「◯プルトの裏!」と呼ばれることも…!?

例:「あなたの席は表ですか?裏ですか?」 

 

・パートリーダー、トップ、あたま

各パートの一番前の客席側の席に座り、代表的な役割をする演奏者のことです。後ろの席の演奏者は、弓順等この人達が決めたものを書き写します。

例:「トップの人からまわってきた弓順がこれです。」

 

・分奏、パート練、パー練

弦分奏(弦楽器だけ)、ヴァイオリン分奏等細かく分けて行う練習のことです。合奏では目立たなかった部分が丸分かりになるのでとても大事な練習です。

例:「うわー来週分奏だって!いつもよりたくさん練習しなくちゃ!」

 

・トラ

エキストラの略です。所属する団員ではない演奏者を指します。

例:「今回トラで来た山田です。」

 

・ライブラリアン

オーケストラのパート譜面を管理する人の事です。

例:「譜面の場所はライブラリアンの方にきいて下さい。」

 

・製本

コピーした譜面の背をテープで貼り、冊子にする作業の事です。きちんと冊子にしていないと、落として広がってしまうと戻すのが大変なのできちんと作りましょう。製本には白いマスキングテープが最適です。

例:「新しい譜面をもらったから早速製本しよう!」

 

・製本テープ

製本に使うテープのこと。マスキングテープ等の素材が最適です。折り曲げにくかったり、劣化しやすかったりするセロテープ等の素材は不向きです。

例:「製本テープ貸してー!」

 

・譜めくり、めくり 

譜めくりは通常各プルトの裏の席の人がめくります。演奏の合間にタイミング良くめくるのは初めてだとなかなか難しいです。

例:「めくりの音がちょっとうるさいよ。もっと静かにめくって!」

 

・代奏(だいそう)代弾き(だいびき) 

欠席で来れない奏者の代わりにやってくる演奏者のことです。 

例:「次の練習に参加できないんだけど、代弾き用意した方がいい?」

 

 

♪ オーケストラの練習中によく使う言葉 

チューニング

練習の最初に必ずオーケストラ全体でA(ラ)の音程を合わせます。

例:「チューニングしまーす」

 

・練習記号

指揮者から練習中に「ベートーヴェンから!」「モーツァルトから!」など指揮の指示があった場合、「練習記号Bから弾き始めます」「練習記号Mから弾き始めます」という意味です。

 

・小節数

「345から」「56が~」と指揮者が数字を言うことが多いですが、これは小節数のことです。大体の譜面には元々書いてありますが、稀に小説数が書いてない譜面もあるので、その場合は自分で書いておくと便利です。

 

・つける

周りの演奏者とタイミングを合わせること。

例:指揮者がセカンドバイオリンに向かって→「そこちゃんとファーストにつけて(ファーストバイオリンのタイミングとずれない様に弾いて)」

 

・さらう

「おさらいする」「練習をする」という意味です。

例:「この部分よくさらっといて!(よく練習してきて!)」

 

・刻む

八分音符や十六分音符など同じリズムが続く伴奏形のことです。セカンドバイオリンによく出てきます。

例:「ここ刻みばっかりで疲れるなー」

 

・ためる

音楽的効果を出すために、音符や休符を本来の長さよりも長くすることです。この場面で波線や眼鏡マークを譜面に書き込むことが多いです。

例:「ここでためるから指揮をよく見て!」

 

・揺らす

音楽的効果を出すために感情的にテンポが動く(変わる)ことです。この場面でも波線、眼鏡マークを譜面に書き込むことが多いです。

例:「ここ揺れるから気を付けて」

 

・こもる

音が響かないこと。

例:「なんかこもってて響かないね」「もっとこもった音を出して」

 

・頭から

曲の最初から弾き始める時の指示です。

例:「じゃあ頭から返そう!(最初から弾き直しましょう)」 

 

・通す

最初から最後まで演奏を止めずに行うことです。

例:「通しでやってみよう!」

 

・ユニゾン

各パートで同じリズム・音程で演奏することです。

例:「ユニゾンだから周りの音をよく聴いて」

 

・初見(しょけん)

 初めて譜面を見ることです。練習で全然弾けていないと「初見なの?」と聞かれることがあります。しっかり練習して行きましょう!

例:「今日初見なんだ…(上手く弾けないけど許して)」※と言いつつ普通に弾けてるパターンもある。

 

譜読み(ふよみ)

パート譜面を読んで(見て)練習することです。

例:「譜読みしてきた?(練習してきた?)」

 

 

♪ 練習中に頻繁に使うネガティブ用語

・落ちる

演奏している場所を見失ってどこを弾いているのかわからなくなる状態です。めげずに周りの雰囲気に合わせ弾きマネをしながら、どこを弾いているのか探しましょう! 

例:「テンポがいつもより速くて落ちちゃった」

 

・迷子になる

上記「落ちる」と同じく、演奏している場所を見失ってどこを弾いているのかわからなくなる状態です。また、弾き始めの指示をされたときに指定の小節が見つけられない状態でも使います。

例:「迷子になっちゃった(今どこを弾いているのかわからない)」

 

・飛び出す

指揮者が振る棒よりも早いタイミングで弾いてしまうことです。

例:「ちょっと飛び出してるよ!(タイミングが少し早いよ!)」

 

・走る

指揮者が振る棒よりも速いテンポで弾いてしまうことです。

例:「走ってるよ!(テンポが速くなっているよ!)」

 

・はずす

音程を取り損ねてしまった時に使います。

例:「そこ、いつもちょっとはずれてるよ(そこ、いつも音程が違うよ)」

 

・落とす

シャープやフラット等臨時記号を見落として弾いてしまうことです。 

例:「そこ落としてるよ!(そこの臨時記号を見落としてるよ!)」

 

・重い

テンポが指揮者の棒よりも遅くなっている時に使います。(その他に「重い音」「軽い音」という言い方で使う場合もありますが言葉での説明が少し難しいので感覚で覚えましょう!)

例:「そこで重くしないで(テンポが遅くなってるから気を付けて)」

 

・引っ張る

上記の「重い」と同じく、テンポが指揮者の棒よりも遅くなっている時に使います。

例:「ちょっと引っ張ってる(すこしテンポが遅れている)」

 

・事故る

譜面通り上手く弾けずミスをすることを言います。

例:「ごめん、事故った!(上手く弾けなかった/失敗した)」

 

・ぶつかる

不協和音が鳴ること。作曲家が意図している場合、譜面の印刷ミス、音程が悪くて鳴る場合があります。

例:「ぶつかってるけど音あってる?(不協和音が鳴ったけど音読み間違えてない?)」

 

・つられる

 他のパートに合わせてつい弾かなくていいところで弾いてしまうこと、他の演奏者が間違えた事に気を取られて自分も間違えること。

例:「つられて出ちゃった!」

 

 

♪ オーケストラの本番当日によく使う言葉

・乗り番、降り番

オーケストラの団員の出番の有無を指します。曲によって演奏者の編成が違うと休みの人も出てきます。

例:「今度降り番なんだよねー乗りたかったなー!」

 

・板付き

演奏者が舞台上にいる状態のことです。

例:「今回の本番は板付きで始まります」

 

・はける

舞台裏に戻ること。 

例:「この曲終わったらはけてー」

 

・ステリハ

ステージリハーサルの略です。

例:「明日の10時からステリハです!」

 

・GP(ゲネプロ、ゲーペー)

本番の前に行う本番のプログラム同様の通しリハーサルのことです。舞台セッティングの関係でプログラムの逆から行う場合もあります。

例:「15時からゲーペー始めます」 

 

・クロクロ、シロクロ

 女性の本番衣装の呼び方の略です。上のブラウスもしくはシャツが黒か白かで呼び方が変わります。間違えてしまうと大変なので事前によく確認しましょう!

例:「今回の本番はクロクロです」 

 

・もぎり

演奏会場の受付でチケットの半券を切る人のこと。

例:「誰かもぎりお願いできる人いない?」

 

 

 ♪ 番外編

 ・オケピ

オーケストラピットの略です。舞台の下に設けられた演奏スペースのこと。最前列の客席よりも低い位置にあります。

例:「オケピだから足元気を付けてー!」

 

・芸劇(げいげき)

芸術劇場の略。

例:「次回の本番、芸劇だって!」

 


 

以上、どこのオーケストラでもよく使う言葉をまとめてみました。

オーケストラ譜面、パート楽譜の書き込みの仕方、よく使う書き込み記号についてもまとめています。宜しければそちらもご参考にどうぞ♪

 

オーケストラならではのバイオリンの弾き方でお悩みの方はオンラインレッスン依頼でお受けしています→問い合わせ